ボクシングジムではどんなトレーニングをしているのでしょうか?
今回は、ボクシングの実践練習であるスパーリング/マスボクシングについて解説します。
スパーリングとは?
スパーリングとは、実際に打ち合う実戦練習のことです。、当然危険を伴うため、ヘッドギアとファールカップ(急所への打撃をカバーする道具)を身に着け、真剣に取り組みます。ただ、あくまでスパーリングは練習ですので、やみくもに相手を倒そうとしたり、無我夢中にパンチを振り回せばいいものではありません。きちんと普段練習していることを意識して、実戦で出せるかが最も大事な課題になります。そしてスパーリングを乗り越えられれば、得られるものも大きいです。練習の仕方が正しかったのか、疲労の仕方やスタミナは大丈夫なのかなど、実戦でしか分からないことが確認できます。試合を目指すボクサーには欠かすことのできないトレーニングです。
マスボクシングとは?
マスボクシングは「当てないスパーリング」です。つまり寸止めのボクシングですので、選手に限らず一般の方にも安全に行える実践的なトレーニングです。マスボクシングはスパーリングよりもリラックスしてできるため、課題を丁寧に意識して行うことができます。また、マスボクシングはボクシングの楽しさを感じられるトレーニングなので、多くのジムが一般の方に行っている練習でもあります。
実戦練習のポイント
それでは、実戦練習をする上でのポイントを説明します。
①課題を意識しよう
実戦練習は緊張感のあるものですので、頭が真っ白になるということが起こるかもしれません。実戦練習を行う前に深呼吸をして、「この動きはしっかりやろう」と練習してきたことを意識しましょう。
②迷ったらジャブを打とう
実戦に慣れていないと、何をやったらいいかわからなくなることもあります。そういう時はまずジャブを打ちましょう。「ボクシングは小さい動きから展開する」ものです。また、アクションを起こさないと何も見えてこないこともあります。もしジャブを打っても逆に相手のパンチを受けてしまったら、それは経験となります。立ち止まっていては得られるものが少なくもったいないですよ。ボクシングにおいて、ジャブは最も練習するパンチです。思い切ってあなたのジャブを打ち、そこからストレート、フック、ボディブローなど、パンチを増やしていってみてください。
③苦しいときは前へ出る
実戦練習において、自分が苦しい時やピンチの時、「相手が」もっともやってほしいと思っている事は、「下がる」ことです。苦しい時に下がることは、さらなるピンチ(=相手にとってチャンス)を呼び起こします。苦しい時こそ、前へ出る勇気、根性がボクシングでは試されます。
④相手への礼儀を忘れない
相手という存在は、自分を高めてくれるパートナーだと私は考えています。ですので、実戦練習の前後のあいさつはもちろん、靴やヘッドギアのひもがほどけないか、ゴングに遅れないようにするなど、相手に迷惑のかからないようにすることも、よいパフォーマンスを出すためには大切なことだと思います。
ぜひ実戦練習にチャレンジを!
実戦練習から新たな課題や目標が見えたなら、マスボクシング→スパーリング→スパーリング大会→プロテスト→プロデビューへと道が開けてくるかもしれません。
実際に打ち合うスパーリングは、確かにハードルが高いと言わざるを得ませんが、マスボクシングでしたらどなたでもチャレンジできるトレーニングです。まだやったことのない方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。