ボクシングの見方⑧ —初心者と上級者の闘い方の違いとは?―

初心者ボクサーの闘い方と上級者ボクサーの闘い方って何が違うの?というわけで、今回はボクシングの初心者と上級者の違いを解説します。

ではその前に、初心者がテクニックを獲得していく過程で、どう変化していくのかを見ていきます。

ちなみに、以前のブログでテクニックについてお話ししましたので良かったらご参考ください。

目次

1,最初は攻撃のみ

ボクサーが上達するプロセスにおいて、経験が未熟なボクサー(を志すひと)がリングに立たされるとどんな気持ちになるのでしょうか?

多くの選手は「未だ経験したことのない恐怖」を覚えると思います。なぜならリングの中には自分と、相手という殴りかかってくる脅威しかいないからです。そんな極限状態でひとは何をしようとするかというと、その恐怖から出来るだけ早く抜け出そうとします。

もしそれが試合となると、早く抜け出したい(終わらせたい)がために、攻撃一辺倒、猪突猛進的な闘い方になります。これが初心者の典型的な闘い方です。

このリングを支配する「恐怖」を克服する努力が、練習であり鍛錬です。それが未熟であれば当然恐怖に負けて相手のことなど構わず、ひたすら攻撃してしまうのです。

2,防御を覚える

ある程度練習によって「痛みを知る」と、「防御」をしようという気に変化しています。とは言え、リングの中には依然恐怖が濃厚に満たされているので、防御もまた一辺倒となり、攻撃・防御はバラバラに偏っています。しかし、防御することの大切さを知ることは大きな成長と言えると思います。

3,攻撃と防御が一体になればプロレベル

防御することの大切さを覚えると、今度は攻防がまとまってきます。そして、防御した直後に相手に隙を見つけることができれば、そこを狙って打ち返すことができるようになります。また、攻撃したい気持ちが抑えられてくると、一発一発全力で打っていたパンチがコンパクトになり、打ち終わりに素早く防御に移ることができるようになります。このように、攻防一体の動きが出来るようになるにつれて、少しずつ相手が見えるようになっていきます。しっかりと攻防一体の動きが出来るようになればプロレベルのボクシングが出来るようになります。

4,牽制できるようになってくる

きちんとした攻撃・防御の技術と共に相手が見えてくるようになると、今度は「相手を知るろうとする」動きが出てきます。これが「牽制」です。牽制とは、探りをいれたり様子を伺うことによってその先に自分がどうすればよいかを判断する、クレバーな闘い方です。最初のころの猪突猛進的な闘いかたとはかけ離れた、慎重で冷静な闘い方になっていきます。

このあたりのテクニックのレベルになると、上級プロボクサーの闘い方になっていきます。

5,攻撃・防御・牽制が複雑に連なる

熟練のボクサーになると、相手のことをしっかり知ろうとして、攻・防・牽の連なる闘い方になります。

誘って相手のパンチを引き出し、その打ち終わりを狙う(牽⇒防⇒攻)、相手を威嚇しロープに詰めて攻撃してからすかさず半歩離れて反撃を阻止する(牽⇒攻⇒防)など複雑な攻防が繰り広げられます。

あらゆる変化に対応できるバランスの取れた構えや、強弱、緩急、上下左右自在にパンチを操り、滑らかなボディワークと軽やかなフットワークを駆使した闘いになります。その激しさの中に秘める美しさは見るものを魅了し、燃え上る命の炎を体現するかのような闘う姿は感動を与えることでしょう。

まとめ

このようにボクサーの成長は、「攻撃一辺倒」➡「防御を知る」➡「攻防一体」➡「相手を知る」➡「技の連なり」というプロセスを経ていきます。

それは、日々の努力によって、強い肉体とテクニックを獲得しリングの中の「恐怖」に打ち勝つプロセスなのではなでしょうか。

ではまた!

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