ボクシングの見方⑫ ―判定を自分で付けてみよう―

試合が判定になった時に、どちらが勝っているのかを自分でジャッジ出来たら、もっとボクシングは面白くなりますよね。今回はジャッジのつけ方を解説します。

ボクシングは「倒し合い」のイメージが強いかも知れませんが、実はポイントの取り合いをする競技なのです!

「押さえておきたいルール」のブログでも解説していますが、選手はラウンドごとの優劣によってポイントを奪い合います。

採点は減点方式

各ラウンドごとにそれぞれ10ポイントの持ち点があり、ラウンド終了時に劣勢だった方がポイントを奪われます。

  • ー1ポイント(9ポイント) 手数や有効打の数で劣勢だった場合
  • ー2ポイント(8ポイント) ダウンを奪われた場合
  • ー3ポイント(7ポイント) ストップ寸前の甚大なダメージを与えられた場合

それぞれのラウンドで10対9や、10対8などと点数がつけられ、判定となった際にポイントの合計が多い方の判定勝利となります。

ちなみに、試合会場では観客にパンフレットが配られますが、その中に観客も一緒にジャッジが出来るように表が載っています。

判定基準

ではどうやって優劣がつけられるのでしょうか?

ボクシング評議会のHPに「採点基準」が載っているので、ご紹介します。

  1. 【有効打】有効なパンチによって、どちらが相手により深いダメージを与えたか。
  2. 【アグレッシブ】どちらが、より攻撃的だったか。ただし、有効なパンチを伴わない単なる前進は評価の対象となりません。
  3. 【ディフェンス】どちらがよりディフェンス技術を駆使して相手の攻撃を防いだか。ただし、これも攻撃に結びつかない単なる防御は評価の対象とはなりません。
  4. 【リング・ジェネラルシップ】どちらの試合態度が堂々としていて、戦術的に優れていたか。どちらが主導権を握っていたか。

と言うように、4つの採点基準があります。

この中で最も重要なのが1.の「有効打」です。有効打は単に当たっただけのパンチではなく、しっかりとダメージを与えた(と判断できる)パンチのことです。また、より深いダメージを与えたかを判断するため、有効打の多さとダメージの深さの二つの要素を加味する必要があります。なので、「有効打では赤コーナーの選手が多かったけど、最後に大きなダメージを受けてしまったから青コーナーの選手の方が優勢」とジャッジされることもあります。しかし客観的にダメージの深さを判断することは難しいので、慣れるまでは「しっかりと当たったパンチの数」を数えるという見方でいいかと思います。

2.の「アグレッシブ」は、有効打の差があまりなかった場合、積極的に前に出る+手数を出した方を優勢にする判定基準です。数発有効打を当てて、あとはディフェンスに徹して逃げてばかりでは、優勢とは見られないということです。

3.の「ディフェンス」のポイントは、パンチを防ぐだけでなく「打ち返せているか」というところです。あくまでプロボクシングは、打ち合ってなんぼのスポーツなので、2と同じく消極的な試合は評価されません。

4.の「リングジェネラルシップ」というのは、主導権を握るといったニュアンスの判定です。これはやや難しい見方なのですが、「させる」側と「させられる」側といった違いで判断をします。例えば、追うと追われる関係とか、打つと打たれるといった能動と受動の状態になったときに受動的(させられている)側が劣勢であると判断されます。しかし、プロボクシングでは打たれているようで打たせているとか、追われているようで追わせているといった場合もあるので、見た目では中々判断が難しいことがあります。パンチをかわした瞬間やロープに詰まったときに堂々としていたら、もしかしたら敢えてそうしているのかなといった視点でみてみることがポイントかなと思います。

判定基準は1から4の順番で優先順位をつけて見てみると見やすいかと思います。まずは有効打の数、それが同じくらいなら手数の多い方、それも同じくらいならディフェンスからの打ち返しの多い方、それも同じくらいなら堂々としていた方といった感じでジャッジしてみてください。

判定のつけ方・まとめ

ボクシングの判定をつける上でのポイントは

  • 各ラウンド毎に優劣をつけ両選手(持ち点10ポイント)にポイントを振り分ける
  • 劣勢だった方は、ダメージの度合いにより-1~-3ポイント減点される
  • 優劣は判定基準があり、有効打→アグレッシ→ディフェンス→リングジェネラルシップの順に判定される
  • 試合をした全ラウンドの合計ポイントの多い方が勝利する

といった具合になります。

ただ、あくまでボクシングを楽しむ上では判定基準は参考程度にとどめ、皆さんの感覚を信じて、公式の判定を答え合わせのような感じで聞くと、よりワクワクして面白いのではないでしょうか。

そしてもっともっとボクシングの試合を見て、皆さんの中のジャッジの眼を豊かにできれば、ボクシングをもっともっと楽しめると思います!

これからも、ボクシングを愛する人々がもっとボクシングを楽しめるようなブログを投稿していきたいと思います。

ではまた!

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