ボクシングの見方⑨ —減量とダイエットの違い―

減量とダイエット(で体重を落とす)のは似ているようですが、実は結構違います。

今回はボクサーの減量について解説します。また、ダイエットへの応用も解説していますので、是非最後まで読んでみてください!

目次

そもそもボクサーはなぜ減量をするの?

ボクシングの試合は、一般的に身長が高く体重が重い方が有利とされています。ボクサーはより有利に試合をするため、減量という手段を使って少しでも勝利に近づく努力をするのです。

ではなぜ減量が試合を有利にするかというと、体重が軽い方が相対的に身長が高くなるためです。

また、前日計量でパスしてから試合に臨むまでの時間で体重をリカバリできると、より重い体重で試合に臨むことができ、有利さが増します。

つまり減量⇒計量パス⇒リカバリをし、より有利な状態を獲得し試合に臨むのです。実際には減量する選手が圧倒的に多いので、有利にするというよりは不利にならないために減量を行っているという意味合いが強いと思います。

例えば、選手A:身長165㎝体重60㎏と選手B:身長175㎝体重70㎏が試合をするとします。60㎏契約で試合を行う場合、選手Aは減量をしませんが、選手Bが苦労して10㎏減量し前日計量をパスした後、試合当日に5㎏体重を戻したとします。そうすると選手Aは身長165㎝体重60㎏、選手Bは身長175㎝体重65㎏となり、選手Bの方が体格で有利になります。

前日計量とは

プロボクシングの計量は試合の前日に行われます。以前は当日計量だったのですが、選手の安全面を考慮し、一晩休んでから試合をするというようになりました。そのため前日から試合までの時間に体重をリカバリでき、選手によって差はありますが一晩で約4~5㎏くらい体重を戻して試合に臨みます。

減量のリスク

減量は身体的負担が大きい

ボクサーの減量は(選手にもよりますが)短期間に5~10㎏以上も減量することもあります。1か月に5㎏以上もの急激な体重の変化はは体力の低下と大きなストレスを伴います。

減量前の状態を「ナチュラル」といいますが、ナチュラルでさえボクサーは引き締まった肉体をしています。そこからさらに肉体をげずって行くのです。試合が近くなるにつれて、練習の激しさは増す一方、摂取するエネルギーは減っていきます。疲れは回復せず、精神的にもかなり追い詰められていきます。

計量の失敗

大幅な減量は計量本番の失敗を招くリスクがあります。計量に失敗してしまえばすべての努力は水の泡です。また相手選手や観客、試合関係者に多大な迷惑が掛かります。無理のない幅で階級を設定することが大切です。

ボクサーの減量法とダイエットへの応用

ボクサーの減量の仕方は選手それぞれですが、基本は練習のコンディションを見ながら、少しずつ食事量を調整していきます。あくまで練習でしっかり体を動かせるという前提で食事をコントロールします。

この減量のやり方をダイエットに応用すると、

  1. その日の食事や行った運動(の内容)を記録する
  2. 毎日決まった時間に体重測定をする(朝起きたタイミングがおすすめ)
  3. 体重の増減から食事・運動の評価をする(食事量、運動量は適正だったか、ストレスは大きすぎないかなど)
  4. 順調であれば継続し、修正が必要であれば食事量、運動量を調節する⇒1に戻る

上記のように運動や食事の量を明確にして、それに向き合い修正していくという流れになります。

ボクサーの減量まとめ

ボクサーが減量する理由は、試合を有利に(不利にしない)ために行います。

減量の基本プロセスは、練習・食事⇒計量⇒評価・考察⇒修正となります。

皆さんも無理のない範囲でご参考いただけたらと思います。

ではまた!

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